《アンチエイジングと言うこと》
最近特にアンチエイジングと言う言葉が使われています。
要するに高齢化社会に向けてのキーワードであり、ビジネスとして大きな市場性があるので、 いまや猫も杓子もアンチエイジングな訳なのです。
ところが簡単にアンチエイジングと言うけれど、実際はそんなに簡単にアンチエイジングが出来る訳ではありません。
例えば加圧トレーニング≠ヘ私の仕事の一つであり、加圧トレーニングから体内で作られる成長ホルモン の効果は想像以上のものがあります。
しかしそれだけで完全に老化が食い止められる訳ではありません。
思いつくままに老化の影響を挙げてみると次の様になります。
脳(健忘、認知障害等)、眼(老眼、白内障等)、耳(加齢性の難聴等)、口(歯周病等)、筋肉(加齢による全身の筋肉の弱化等)、骨 (骨粗鬆、変形等)、その他生殖能力の低下や運動能力の低下など、一つ一つ上げだしたら本当にきりがありません。
とにかく老化は全身的(肉体的)にも、部分的にもそして精神的にもエネルギー的にも容赦なく襲ってきます。
従ってこれらの老化を完全に防ぎきる事など出来るはずはありません。
そこでアンチエイジングを戦略的に考える必要が出てくるのです。
細かい事を説明するのは今回の目的ではありません。
《脳の老化について》
ここで私が言いたいのは、脳の老化についてなのです。
この脳の老化については色々と言われていますが、実際はかなり早いうちから始まっているようです。
人間の脳と言うのは日常的に使われている部分と、普段はあまり使われていない部分とに分かれます。
これは体についても同じようなもので、例えば日ごろスイミングで全身運動をしていると本人は思っていても、 水中での運動では地球上の引力に拮抗する、もっとも重要な抗重力筋は鍛えられにくいと言うのと似ています。
例えば私の父は学者でしたが、晩年は今で言う認知症となっていました。
従って日常的な会話の中でも時折トンチンカンな事を言い出して、母がまたそれを真に受けるものだから、 私が行くたびに母がぼやいていたのを思い出します。
ところが自分の専門分野の仏教学や国文学の話やそれに関連する、つまり父の興味のある分野の話になると、 とたんに現役の時と同じように話が出来るし、質問にも的確に答えられる訳です。
特に私の父は自分の興味や専門以外の事柄には頭を使わない人でしたから、その辺が顕著に現れているのだと思います。
最近は脳の老化を意識して、様々なゲームが売られています。これもアンチエイジングをキーワードにするビジネスの一つなのでしょうが、 どのようなゲームを作ってもゲームだけで脳全体の老化を防ぐ事は不可能だと思います。
また指先に刺激を与えれば脳の老化を防げるとかで、テレビ番組で編み物を推奨していましたが、 これも脳の老化予防としては一面でしかありえません。
脳の老化予防を考える場合には、刺激としては少なくとも視覚的、感覚的、聴覚的な刺激が必要であり、 さらに左脳を優位に働かせるような刺激も、また右脳を優位に働かせるような刺激も両方共に必要です。
文系の人が文系の事ばかりやっていると脳の働きはアンバランスに発達するし、 理系の人が理系の事ばかりやっているとこれもアンバランスなのです。
もちろん体育系の人が運動ばかりやっているとどうなるかは、ご想像にお任せします。
最近私の周りでも「あれっ!」て首をかしげるような言動をしたり、またそう言うメールをくれる人が増えてきました。
これが年齢を問わずなのだからこまります。
そしてこう言う私も、昔は簡単に覚えられた事が覚えられなくなったり、 或いはそこまで出掛かっている言葉が出てこなかったりで困る事があります。
随分以前のつまらない事を細部に渡って覚えていて、親の言葉に水をさす小学生の子供に接していると、 「なんでそんなしょーもない事覚えてるねん」と言いながら、うらやましく思う今日この頃です。
《死ぬまでが闘いだ》
以前癌と闘うな≠ニ言うタイトルの本がありましたが、老化に関しては死ぬまでが闘いだ≠ネのです。
ある程度の老化を感じるようになれば、老化と戦う戦略を立てて、日々これを実践しながら健康で快適な人生を全うする。
言うか言わないかでこれをやってきた人だけが最後には笑っていられるのです。
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