2008年03月10日

春になると-2

《陽気と心の動き》

さて前回は、春になると陽気の働きが人間にも影響を与えると言う話をしたが、私などはこの時期吹き出物が多くなって来る。
冬の間は特に気になる事はないのだが、この時期ある頃を境に、頭の中や顔などに吹き出物が出だす。
その時はすぐに原因が判らなくて、何か食べ過ぎたのかな?とか何か精の強い物を食べたのかな?とか悩むのだが、やがて 「ああそうか春が来たのか」と思って納得する事が多い。

この辺は美容関係の方もそう言われるので、やはり肌などが荒れたり注意を要する時期でもあるのだろう。

ところでこの季節、心の動きについて少し考えて見よう。

かつて私が精神療法に重点をおいていた頃、この時期には随分とややこしい問合せが多かった事が思い出される。
ところが面白い事に、クライアントが増えるのではなく、訳のわからん問合せが増えるのである。

具体的な内容は忘れたが、他の時期には無いような訳の判らない電話が多くなる時期なのである。
症状で言えば躁鬱症状を抱える人の、躁の状態がひどくなると言えば適切だろうか。

これを気≠ニ言う点で考えると、下から急に陽気が上がってきて脳の中の気 の巡りがよくなりすぎて普段そうでもない人も軽い躁状態になる。と言った感じだろうか?

こう言う人達が何だかおかしい自分に気付いて、電話帳を見て精神療法をやっているところに電話をする。
普通の医療機関だとまともに相手にされないのが判っているから、民間療法や代替療法で精神療法をやっているところを探して電話をかけまくる。
で訳がわからない状態の人が訳がわからない不安に駆られて電話してくるから、言ってる事も訳がわからない事が多い。
最初は真剣に聞いているのだが、そのうちこう言う電話が多きくなるのは季節的な現象だと言う事が判る。
また考えて見ると、こう言う冷やかし半分の電話の相手がまともにクライアントになったと言う記憶は全く無い。

私は20年近く前に躁鬱で苦しんだ事があるので、躁鬱の精神的な変動についても体験として持っているが、病気とまでは行かなくても、 今まで冬の寒さで落ち込み勝ちだった気分が春になる事で開放されるようにポジティブになるのは多かれ少なかれ多くの人が体験するところだろう。

面白いのは気温の上昇だけではない、例え気温はまだまだ寒くとも、 大地の陽気の活動は徐々に活発になり植物や昆虫や人間も多かれ少なかれその影響を受ける。それを説明したのが『啓蟄』である。


そもそも『啓蟄』とは二十四節気の1つ。3月6日ごろから春分までの期間を言う。
太陽黄経が345度のときで、大地が暖まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころで二月節。「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、 穴をひらき出ればなり」と言われている。つまり柳の若芽が芽吹き、ふきのとうの花が咲く頃である。
忘れてならないのは、虫や植物だけではなく、人間も影響を受けると言う事であり、陽気の変動は人体内の気≠動かす。

しかし生活環境や生活様式の変化で人間が大地の気≠ゥらどんどんと離れた生活をしていくと、今後どうなっていくのだろうか?
見栄えだけの野菜や果物の様に、本当に中身の無い上辺だけのカスの様な人間が今よりもっと一杯になるのだろうか?
エネルギーの無い、カロリーだけのジャンクフードを食べ、大地の気≠フ恩恵の届かない高層マンションでまともに運動もしないで、 ゲームの刺激で脳が育てられているような人間が大半を占めるようになった時、 恐らくこの国は今から思えばエイリアンに占領された様に見えるのだろう。

そう言う事態を考えると、私の頭の中に出来ている吹き出物にも、感謝をしなければならないと思う。



 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

posted by オリエンタル・メソッド at 11:25| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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